次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【|保育士問題集

保育士

Q 34 : 
次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】5月の園内研修の場面である。4歳児クラスでは、支度の済んだ子どもがエプロンをして、給食準備を手伝っている。4歳児クラス担当の保育士が以下の場面を話し、それについて職員間で話し合った。N君は給食準備のお手伝いをしたくて「早い者勝ちだよ」と言いながら、手早く支度をし、毎日エプロンをして給食準備のお手伝いをしている。U君も準備を手伝いたいが、支度が遅くなってしまい、お手伝いができずにいた。それでも、早く支度を終えようと数日、がんばるが、今日もあと一歩のところでエプロンがなくなってしまう。とうとう、目に涙をためて立ちつくすU君。保育士が「U君も一生懸命支度したんだけど、エプロンがなくなって悲しがってるよ」と言うと、N君は「だって早いもん勝ちだもん」と言う。保育士が「U君悲しそうだよ。涙いっぱいだね」と言うと、N君は「だって...」と、少し考えてから、「あした、U君にお手伝いをしてもらおうか」と言う。保育士は「いい考えだね。U君よかったね」と語りかけた。【設問】次のうち、「保育所保育指針」に照らして、この場面での保育士の対応に関する最も適切な記述を一つ選びなさい。
1
早い者勝ちを主張するN君は自己中心的なので、保育士が「いい考えだね」と肯定するのはよくない。
2
4歳児はきまりに敏感になる時期なので、保育士は、支度が済んだ順にエプロンをつけるというルールを確認し、U君に我慢するよう伝えるべきだった。
3
4歳なのだから自分の気持ちをN君にきちんと言って、代わってもらうようにと、保育士がU君に言うべきだった。
4
5月という時期を考えると、N君、U君の給食準備を手伝いたいという気持ちを受けとめることが大切なので、この対応でよい。
5
子ども同士で考えるとこのようなトラブルが発生するので、保育士が当番を決めるのがよい。
解説

1 - × N君の自己中心的な性格を肯定しているわけではない。「U君にお手伝いをしてもらおう」という思いを受け止めるものであり、適切な対応である。

2 - × 決まりの大切さに気付き守ろうとする時期ではあるが、U君に我慢をするように伝える対応は不適切である。

3 - × 自己主張ができるようになってくる時期だが、他者の気持ちを察することもできてくる。複雑なやり取りを自分だけで十分にできる段階とは言えないため不適切である。

4 - ◯

5 - × 子どもはトラブルを経験しながら、相手の気持ちを理解できるようになるのであり、それを未然に防ぐような対応は適切ではない。「保育所保育指針」の「3歳以上児の保育に関わる配慮事項」に「けんかなど葛藤を経験しながら次第に相手の気持ちを理解し、相互に必要な存在であることを実感できるよう配慮すること」とある。