介護福祉士
Q 66 :
次の事例を読んで、問題66について答えなさい。\n〔事例〕\nJさん(71歳、男性)は20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して、右大腿骨頸部骨折(みぎだいたいこつけいぶこっせつ)(femoral neck fracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し、下肢機能訓練により杖歩行(つえほこう)も可能であると診断されている。しかし、訓練への参加は消極的であり、入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から、下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。入所後のJさんは、日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。排泄(はいせつ)に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく、食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが、「ああ、うん…」と言うだけで訓練に参加していない。面会に来た妻によると、Jさんは、「施設で訓練しても歩けるようになるはずはない」と話していたということだった。また、妻は、「仕事が大好きで、仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだ」と話した。Jさんに対する長期目標の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解説
1 - × 現在、すでに機能訓練のために入所しているため、短期的な目標と言える。
2 - × 長期目標とは1〜2年後を見据えたものであり、適切とは言えない。
3 - ○ 妻より、仕事が好きであり、できなくなったことに落ち込んでいると話があったことから、本人も再び仕事に戻ることを望んでいると考えられるため、方向性として適切である。
4 - × 長期目標の方向性としては適切ではない。
5 - × 利用者の望む生活の実現が目的である。現在の状態から新しい趣味を見つけることは、適切ではない。