〔事 例〕Gさん(75 歳,男性)は,妻と穏やかに暮らし|介護福祉士問題集

介護福祉士

Q 110 : 
〔事 例〕Gさん(75 歳,男性)は,妻と穏やかに暮らしていた。ドライブが趣味で,妻が買い物に行くときは送り迎えをした。妻の買い物がない日には,いつも近くのUコミュニティセンターで,仲間たちと囲碁や将棋をしていた。そんなGさんが,半年前からUコミュニティセンターに行かない日が多くなり,家の中をうろうろしたり,妻に買い物に行く時間を何度も確認し,車の鍵かぎを探しまわることが多くなった。 2 か月ほど前,買い物の後で家に帰る道が分からなくなり,同じ道を行ったり来たりしているので,妻が,「次の路地に入ってください」と言うと,「分かっとる」と大声を出した。家に到着すると,「今年は免許更新の年だ」と言った。心配した妻が,かかりつけのH医師にGさんの診察を依頼した。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断され,その後,要介護 1 と認定された。現在,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し,妻は訪問介護員(ホームヘルパー)がいる間に買い物に出かけている。妻は交通事故を心配して, 1 日も早く車の運転をやめさせたいと考えている。現在のGさんの状況について,訪問介護員(ホームヘルパー)の妻に対する助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1
車の鍵かぎを隠すことを勧める。
2
Gさんに断りなく車を処分することを勧める。
3
「免許更新期間は過ぎました」とGさんに言うように勧める。
4
近くの警察署に相談することを勧める。
5
「あなたの運転は怖いから乗りません」とGさんに言うように勧める。
解説

2013年に道路交通法の一部が改正され、認知症、統合失調症やてんかんなどにかかっている運転者を対象に、免許の拒否または取消し等が行われるようになった。さらに、認知症等を診断した医師による運転免許証に係る任意の届出制度が開始された。道路交通法の所管は警察であることから、警察署での相談を勧めるのが適切である。