Hさん(80歳,男性)は,娘には老後の心配をかけたくない|介護福祉士問題集

介護福祉士

Q 25 : 
Hさん(80歳,男性)は,娘には老後の心配をかけたくないと考えて,2年前に夫婦で軽費老人ホームに入所した。物静かな性格で賑やかな場所は苦手である。身の回りのことは自分でできる。10年前に糖尿病(diabetes mellitus)にかかり,毎日,朝食前に自分でインスリン注射をしている。半年前,妻が突然亡くなった。妻がいるころは,妻と一緒に散歩をしたり,妻が食事にも気を配ってくれていたので血糖値は安定していた。妻の死後は自己注射を介護職が見守っている。Hさんは介護職に,「妻が亡くなった直後は,いろいろと忙しくて寂しいとは思わなかったが,半年たった今ごろになってとても寂しくなり,自然に涙が出たりする」と言った。Hさんに対して介護職が行うグリーフケア(grief care)として,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1
Hさんと相談して,思い出話ができる人たちに集まってもらう。
2
悲しみは時間とともに消失するので,そっとしておく。
3
悲しみは糖尿病(diabetes mellitus)には影響しないので,そのままにしておく。
4
少しでも早く立ち直ってもらうために,娘の家に行くことを勧める。
5
元気を出してもらうために,カラオケ大会を開く。
解説

グリーフとは「悲嘆」という意味で、配偶者や近しい人を失った人が、悲嘆を乗り越えようとする心の苦悩に寄り添い支援することをグリーフケアという。グリーフケアの姿勢として、信頼できる人たちに気持ちや思い出を話すことは有効であり、選択肢1は適切である。